この記事では、音楽理論を学ぶための基礎知識となる「音程と度数」について詳しくお伝えして行きます。
音程と度数の知識は、後ほどお伝えする「スケール」や「コード理論」を理解するために重要な基礎知識になります。
少しややこしく感じるかも知れませんが、出来るだけ分かりやすく、簡潔にお伝えして行きますね^^
目次
音程の基礎知識~音程とは?~
音程とは2つの音の間隔(距離)の事です。
例えば、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」という音の並びの中で、ドを1番目の音とするとミは3番目の音になります。
この音(ド)と音(ミ)までの間隔(距離)の事を音程と言います。
音程を表す度数の数え方
音の距離(音程)を表す指標を「度数」と言います。
度数は基準とする音を1として数えます。
例えば、「ド」を基準とした時、ドは1度(ルート・根音)と呼びます。
詳しい度数は下記の通り
- 1番目の音…ルート(根音)
- 2番目の音…2nd(二度)
- 3番目の音…3rd(三度)
- 4番目の音…4th(四度)
- 5番目の音…5th(五度)
- 6番目の音…6th(六度)
- 7番目の音…7th(七度)
前述した通り、この度数に関しては、後々コード(和音)やスケール(音の並び)を学ぶために重要な知識になるので軽く覚えて置いて下さい。
全音と半音
実は、音って「ドレミファソラシド」の7つ以外にも
ドとレやレとミ、ファとソ、ソとラの間にも、それぞれ音が存在しています。
ドとレ、レとミ、ファとソ、ソとラの音の距離を全音と呼ぶのに対し、その間の音の距離の事を「半音」と呼びます。(ピアノでいうと黒鍵の部分ですね)
つまり、こういう事↓
- ド
- ド#(レ♭)
- レ
- レ#(ミ♭)
- ミ
- ファ
- ファ#(ソ♭)
- ソ
- ソ#(ラ♭)
- ラ
- ラ#(シ♭)
- シ
- ド
#は「半音上」の事で♭は「半音下」の事です。
つまり、ドとレは全音の関係。
ドとド#(レ♭)は半音の関係という事です。
ドの半音上と、レの半音下はどちらもドとレの間の音ですから、ド#とレ♭は同じ音という事になります。(平均律の場合)
ちなみに、ミとファ・シとドの間には♭や#が入りません。
これは、ミとファ、シとドがそれぞれ半音の関係にあるからです。(ピアノもミとファ、シとドの間に黒鍵が入っていないのはそういう事です。)
音程(度数)の種類~長短系と完全系~
また、音程の中でも
- 長短系
- 完全系
という2つのグループに分かれます。
これは、音程をより正確に伝えるための枕詞のようなものだと考えて下さい。
一つずつ詳しくお伝えして行きます。
長短系
長短系に分類されるのは下記の4つです。
- 二度
- 三度
- 六度
- 七度
ここでは、三度を例に出してみましょう。
「ドからミ」と「レからファ」は、同じ三度の関係です。
しかし、ドからミの場合は全音が2つの関係。
それに対して、レからファの場合、全音1つと半音1つの関係になります。
つまり、厳密にいうと同じ三度でも半音分音程が変わって来るという事です。
その半音分の違いを正確に伝えるために「長三度」「短三度」に分類されるのです。
では、長と短はどのように分類されるのかというと、下記の通りです。
- ドからミ(全音2つ)の関係を「長三度」
- レからファ(全音1つ、半音1つ)の関係を「短三度」
その他、二度、六度、七度に関しても同じ考え方が出来ます。
完全系
完全系に分類されるのは下記の4つです。
- 一度
- 四度
- 五度
- 八度
完全なんて言葉が付いているのは「完全に調和する音だから」だそうです。
試しに、
- ド(一度)とファ(四度)
- ド(一度)とソ(五度)
を同時に鳴らしてみて下さい。
とても安定した響きになるかと思います。
完全系の場合、先ほどのような「長」とか「短」といったややこしい分類はありません。
ですが…最後にもう一つお伝えしておきたい話があります。
増・減と重増・重減
ちょっとややこしくなりますが、これで音程の話は最後なので頑張りましょう(笑)
「もう疲れたよパトラッシュ…」という方は、増と減に関しては後でゆっくり余裕のある時に読んでみて下さい。
増と減
先ほどお伝えした「長短系」「完全系」を基準にして、そこから更に半音高い音を「増」、更に低い音を「減」と言います。
例えば、ドからレ#は長二度から更に半音上がった音なので、「増二度」になります。
ドからファ#は、完全四度から更に半音広がった音なので「増四度」という事になります。
重増と重減
増より更に半音高い音を「重増」、減より更に半音低い音を「重減」と呼びます。
例えば、ドに♭が付いたと仮定すると、F#は重増四度という事になります。
音程と度数、メジャーとマイナーまとめ
さて、この記事でお伝えした事をまとめると下記の通りです。
- 音程とは、2つの音の間隔(距離)の事である。
- 音程に名前を付けたものを度数という。
- 度数は自分自身(基になる音)を一度として数え始める。
- 音程には、長短系の音程(二度・三度・六度・七度)と完全系の音程(一度・四度・五度・八度)がある。
- 全音2つ分の音程が「長」
- 全音1つ半音1つの音程が「短」
- 長短系・完全系の音程を基準に、それより半音広い音程を「増」半音狭い音程を「短」と呼ぶ
- 「増」よりさらに半音広い音程を「重増」、「減」より更に半音狭い音程を「重減」と分類する。
以上が音程と度数についての基礎知識です。