群馬県の郷土かるたです。
古くは上毛と呼ばれた群馬県の歴史、自然、人物、産業などを読んでおり、全44札あります。
このページでは、上毛かるたの遊び方やルール、購入方法などをお伝えして行きます。
目次
上毛かるたとは?
上毛かるたは、日本の群馬県を中心に広く知られている、かるたの一種です。
上毛かるたには、百人一首のように定評のある正式なルールや統一された札のセットはありませんが、一般的に、五十音順に並んだ札の中からランダムに抽出された札を使って遊びます。
上毛かるたの札には、群馬県の自然や文化、歴史などを題材にした和歌が書かれています。
例えば、「あ」の札には「浅間のいたずら鬼の押し出し」という和歌が書かれていますが、これは群馬県にある浅間山の「鬼押し出し」という名所が題材になっています。
地元の人々や観光客に愛されている、群馬県の文化の一つとして知られています。
上毛かるたの歴史・誰が作った?なぜ作られた?
日本が第二次世界大戦に敗れた翌年の1946年(昭和21年)、旧制・前橋中学出身の浦野匡彦(のちに二松學舍大学学長に就任)は、満州国から故郷・群馬へ引き揚げ、恩賜財団同胞援護会県支部を取り仕切り、戦争犠牲者の支援に取り組んでいました。
敗戦後の世情は混乱し、戦争孤児・寡婦などの境遇は悲惨なものだったようです。
また、GHQの指令により、学校教育での地理・歴史の授業は停止されていた時代です。
人一倍郷土を愛し、誇りに思っていた浦野は、群馬の子供たちには愛すべき故郷の歴史、文化を伝えたい、という思いを募らせていきました。
そのような中、1946年(昭和21年)7月15日に前橋市で開かれた引揚者大会で、浦野は安中出身のキリスト教伝道者である須田清基と出会い、かるたを通じて群馬の歴史、文化を伝えることを提案されています。
1947年(昭和22年)1月11日の『上毛新聞』紙上で構想を発表し、県内各方面から題材を募りました。
郷土史家や文化人ら18人からなる編纂委員会によって44の句が選ばれた。
絵札を画家の小見辰男に、読み札裏の解説を歴史研究家の丸山清康に依頼し、その年内に初版12,000組が発売されました。
翌1948年(昭和23年)には第一回上毛かるた競技県大会が開催されます。
現在では、群馬県を代表する文化の一つとして上毛かるたが親しまれており、毎年様々なイベントや大会が開催されています。
また、地元の小中学校でも上毛かるたが教育の一環として取り入れられており、後世に伝えられることが期待されています。
全44札があり「ちの札(力あわせる二百万)」は、初版時の「百六十万」から、県の人口増加に合わせて4回上方修正され、1993年に「二百万」となりました。
人口は2022年10月現在で191万人まで減少しており、初の下方修正が懸念されています。
上毛かるたの遊び方
上毛かるたには、一般的には以下のようなルールで遊ばれることが多いです。
- 札を準備する
- 読み手を決める
- 読み上げる
- 取る
- 得点を計算する
札を準備する
五十音順に並んだ札の中から、ランダムに札を選んでセットを作ります。
一般的には、各文字の上に一つから数えた順番の数字を書いた札を使用します。
読み手を決める
参加者の中から一人をディーラーとして決めます。
読み上げる
読み手が和歌を読み上げます。
読み手は、必ず最初に「つる舞う形の群馬県」を2回読み、その次に読む札から競技が始まります。(これを「本読み」と言います)。
読み手は各読み札を必ず2回ずつ読みます。
2回目が空読みとなり、それは次の本読みの予令です。
審判審議(どちらが取ったかを判定など)等で中断する場合、中断明けは、必ず直前の読み札を空読みすることで、次の本読みの予令とします。
読み手は、本読みは高い調子で、空読みは低い調子で読むことが多いです。
ただし、最初の空読み(「つる舞う形の群馬県」)は、2回とも高い調子で読みます。
選手は、この空読み(予令)によって本読みに対する心の準備ができます。
取る
読み上げられた和歌に該当する札があれば、参加者はできるだけ早くその札を取ります。
取った札は手元に置きます。
絵札を取るときは、押さえても、はじいても、押しても引いても、飛ばしてもOK。
とにかく札に指が早く触れた方の勝ちと決められています。
ただし、両手を使ったり、机の上にかぶさったりしてはいけません。
また、使わない方の手は、膝から前に出してはいけません。
使う手も、札が読み始めるまでは、膝の上に置くか膝頭より前に出してはいけないルールになっています。
お手つき(間違えた札に触ってしまった場合)は、自分の陣でも、相手の陣でも、読まれた札のない方をついたら、それまでに自分が取った札の中から任意の1枚を相手に渡します。
最後に2枚残った時点で、残り札を左右に並べ直します。
どちらの札が残っても、横に30cm離して並べ直し、空読み後に読んだ札(最後から2枚目)を取った側が、自動的に最後の1枚も得る(なので、最後の1枚は読まれません)。
団体戦の場合、最後の2枚の対戦は、3人のうち中央に座る者同士で行う。
得点を計算する
得点の計算方法は個人戦と団体戦によって異なります。
個人戦の得点計算方法
個人戦では単純に最も多い枚数を取った人が勝者となります。
取った札が同数(22枚)だった場合「つの札(鶴舞う形の群馬県)」を取っている方が勝ちになります。
団体戦の得点計算方法
団体戦の場合は、取った札の枚数(1枚1点)に、次の項目で説明する役札の得点を加えた合計点の多い側の勝ちになります。
団体戦の役札の得点
上毛かるたには下記の役札があります。
- 親札(つ・ち・け)
- 五市札(お・か・め・き・け)
- 三山札(す・も・の)
親札(つ・ち・け)
点数:10点(中学生のみ)
群馬県の地形・人口・県庁をそれぞれ表している札
- つ:鶴舞う形の群馬県…県の形、
- ち:力合わせる200万…県の人口
- け:県と前橋糸の町…前橋市(県庁所在地)
です。
五市札(お・か・め・き・け)
点数:20点
群馬県の5大都市(旧5市)を表している札
- お:太田金山子育てどんりゅう…太田市
- か:関東と信越繋ぐ高崎市…高崎市
- め:銘仙織り出す伊勢崎市…伊勢崎市
- き:桐生は日本の旗どころ…桐生市
- け:県と前橋糸の町…前橋市
です。
三山札(す・も・の)
点数:10点(小学生・中学生)
上毛三山を表している札
- す:裾野は長し赤城山…赤城山
- も:紅葉に映える妙義山…妙義山
- の:登る榛名のキャンプ村…榛名山
です。
個人戦と団体戦
上毛かるたは個人戦と団体戦の2つの遊び方があります。
それぞれ若干遊び方が異なるので、ルールを解説します。
個人戦
個人戦は1対1で行われる試合です。
両者に22枚の札を配り、3段に並べます(1段7枚、最後の段だけ8枚)
その際、下記のように並べることがルールとなっています。
- 両方の陣の間は3cm
- 格段の間及び左右の間は1cm
- 札と選手の膝頭との間は20cm以上
試合開始3分前に競技進行係(読み手)の合図によってかるたを並べ始めます。
1分前の合図以降は札の並べ替えはできなくなります。
この時間の中で取りやすいように札を並べたり、取り札を記憶します。
上毛かるたはどこで買える?
上毛かるたは下記の方法で買うことができます。
- 書店などの店舗
- ネット通販
店舗
上毛かるたは群馬県の書店などで買うことができます。
また、県内では一部の量販店、土産物店、雑貨店などでも販売しています。
また、次の県機関及び県有施設等でも販売しています。
※在庫切れの場合もありますので、ご希望の際は、直接施設等にお問い合わせください。
ネット通販
ネット通販の場合は、
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などでも購入することが可能です。